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Vol.032(2007-05-21)
■Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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1:特許検索のネタ
2:特許分類選定の考え方
2-1:前回のおさらい
2-2:対象を絞り込むということ
2-3:上位分類を選定しない場合と選定した場合
2-4:なぜ上位分類を選定するか
3:特許検索の鉄則
1:特許検索のネタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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前々回から始まった『特許電子図書館を使った類似特許検索の方法〜半導体
関連特許を例に〜』では、具体的にある特許を例に取りその特許の類似特許を
探す方法を解説しています。
取り上げた特許は松下電器産業出願の半導体装置に関する特許です。
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【発明の名称】半導体装置
【公開番号】 特開2005-123458
【出願日】 2003年10月17日
【出願人】 松下電器産業株式会社
【要約】
【課題】マイクロ波帯域からテラヘルツ帯域での特性のバラツキが抑制されて
おり、実装が容易で、高周波信号を空間や外部回路に効率よく伝達することが
可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、基板1と、基板1の最上部に形成された
n型半導体層2Aと、基板1上に互いに離間して形成され、伝送線路を構成
する信号線5および接地線6と、n型半導体層2Aと、信号線5および接地
線6とから構成される発振素子15と、基板1上に形成され、信号線5に
接続された高周波利用回路部11とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】n型半導体層を最上部に有する基板と、
上記基板上に互いに離間して形成され、伝送線路を構成する信号線および
接地線と、
上記n型半導体層と、上記信号線および上記接地線とから構成される
発振素子と、
上記基板上に形成され、上記信号線に接続された高周波利用回路部と、
を備える、半導体装置。
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前回は特許分類の基礎知識について再確認して、特許分類の選定方法および
その基本的な考え方について解説しました。
今回も引き続き、特許分類の選定方法とその考え方に焦点をあてて解説して
いきます。
2:特許分類選定の考え方━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-1:前回のおさらい
前回のメルマガで「特許分類選定の基本として」
◆特許検索の鉄則068
対象特許に付与されている特許分類を選定
◆特許検索の鉄則069
対象特許に付与されている特許分類の上位分類を選定
の2つを挙げました。鉄則068については納得していただけると思います。
もう1つの鉄則069「上位分類を選定する」ことについては、みなさん考えて
みましたか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-2:対象を絞り込むということ
「上位分類を選定する」ことの理由について説明する前に、まずは特許検索式
を作成することで対象を絞り込むという行為について考えてみましょう。
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本当はベン図を書ければよいのですが、テキストベースのメールマガジンなの
で頭にイメージを浮かべながら読んでください。
集合Aという円があります。もう1つ集合Bという円があります。このAとBの円
は重なり合う部分があります。このAとBの重なり合っている部分を検索式で
書き表すと
A and B
となります。つまりAという特徴を持っており、かつ、Bという特徴も有して
いるのが「A and B」です。ここで重要なポイントは「A and B」というのは
Aの円・Bの円のいずれの円よりも小さくなっている、つまり絞り込まれてい
るという点です。
ここで特許検索マトリックスシートを思い出してください。
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| キーワード
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背景技術 1| 半導体装置
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2| 周波数帯域
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技術的特徴 1| 基板(n型半導体層)
構成要件 |━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2| 信号線・接地線
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3| 発振素子
|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4| 高周波利用回路部
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Aを背景技術、Bを技術的特徴・構成要件と置き換えて考えてみましょう。
「A and B」は「半導体装置」であり、かつ「基板、信号線・接地線、発振
素子、高周波利用回路部」の特徴を有するものという意味になります。
「A and B」はAという背景技術を持つ特許の中でも、特にBに列挙したような
技術的特徴を有している特許です。
━━━━━━━━━━━━━━2-3:上位分類を選定しない場合と選定した場合
説明がクドくなってしまいました・・・「A and B」について十分に解説した
ところで、上位分類選定の理由について述べていきましょう。
説明がクドくなってしまいました・・・「A and B」について十分に解説した
ところで、上位分類選定の理由について述べていきましょう。
対象特許に付与されているIPCである
H01L 47/00 バルク負性抵抗効果装置,例.ガン効果装置;それらの装置また
はその部品の製造または処理に特に適用される方法または装置
☆H01L 47/02 ・ガン効果装置
を例に解説していきます。
下にH01L 47/00とH01L 47/02でヒットする特許の件数を模式的に示しました。
H01L 47/00はH01L 47/02の上位分類に当たります。当然H01L 47/00で検索す
れば、H01L 47/02も含まれます(下図の□と■)。
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IPC □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■■■■■■■■■
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← H01L 47/00 →
← H01L 47/02 →
逆にH01L 47/02はH01L 47/00の下位分類なので、当然H01L 47/00よりはヒット
件数が少なくなります(上図の■のみ)。
次に例としてキーワード「基板」を掛け合わせるとします。下にキーワード
「基板」でヒットする特許の件数を模式的に示しました。
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KW ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇◇◇◆◆◆◆◆◆◆
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分かりにくいかもしれませんが、◆が「基板」というキーワードを含む特許
だと考えてください。このキーワード「基板」の集合とIPCで検索した集合を
掛け合わせたとします。
1)IPC「H01L 47/02」を用いた場合
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KW ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇◇◇◆◆◆◆◆◆◆
IPC □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■■■■■■■■■■
← H01L 47/00 →
← H01L 47/02 →
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ヒット××××××××××××××××××××××××○○○○○○○
まず1つ目はIPC「H01L 47/02」を用いた場合です。この場合、キーワードで
ヒットした◆とIPCでヒットした■の両方を満足するものが○となります。
こちらは特に問題なくご理解いただけると思います。
2)IPC「H01L 47/00」を用いた場合
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KW ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇◇◇◆◆◆◆◆◆◆
IPC ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
← H01L 47/00 →
← H01L 47/02 →
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ヒット×××××××××◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎××××○○○○○○○
次に上位概念である「H01L 47/00」を用いた場合です。この場合「H01L 47/
02」を用いた場合よりもヒット件数は増加します。上図では◎の部分が増えた
ことになります。
それでは、2つ目の場合でヒットした◎はどのような特許なのか?
○の特許は「ガン効果装置」(H01L 47/02)であって、かつキーワード「基板」
です。◎の特許は「ガン効果装置のようなバルク負性抵抗効果装置」(H01L 47
/00)であって、かつキーワード「基板」を含むものです。
◎の特許は「ガン効果装置」ではないかもしれないが、「ガン効果装置」と
類似した「バルク負性抵抗効果装置」であり、かつキーワード「基板」を
含んでいます。
この◎の特許は、○の特許とは異なりますが、類似性は高いと言えます。
◎と○の特許は、特徴として「基板」を含んでいることは共通ですが、異なる
のは背景技術が「ガン効果装置」か「バルク負性抵抗効果装置」の点です。
しかし「ガン効果装置」は「バルク負性抵抗効果装置」の1種であることから
○の特許は、◎の特許に包含されていると考えることもできます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-4:なぜ上位分類を選定するか
「ガン効果装置」ではちょっとイメージがわきにくかったと思いますので、
もう少し身近な例を挙げて理解を深めてもらいましょう。
例えば
背景技術 :シャープペンシル
技術的特徴:柄(ボディ)が透明
とします。
シャープペンシルの特許分類に「柄が透明」というキーワードを掛けると、
抽出したい柄が透明なシャープペンシルの特許がヒットするでしょう。
しかしシャープペンシルを上位概念で考えると筆記用具です。筆記用具の特許
分類に「柄が透明」というキーワードを掛け合わせると、柄が透明なシャープ
ペンシルもヒットしますが、他に柄が透明なボールペン・サインペンなども
ヒットします。
一番欲しい特許は「柄が透明なシャープペンシル」かもしれません。
しかし、特許として「柄が透明な筆記用具」と記載されていたら、シャープ
ペンシルの特許分類を使用してもヒットしません。
出願人(つまり企業)はなるべく広い権利範囲を確保したいと考えています。
わざわざ「柄が透明なシャープペンシル」と特許請求の範囲で限定する
ような出願人はいません。通常は「柄が透明な筆記用具」として権利確保を
狙うはずです。
これが上位分類を選定する理由です。
対象特許に付与されている特許分類は、もちろん対象特許の特徴を踏まえて
付与されています。しかし、対象特許の類似特許にも同じ特許分類が付与され
ているとは限りません。同じ特許分類の中には類似特許が潜んでいる可能性が
最も高いことは疑いようのない事実ですが、違う特許分類(特に上位分類)には
その次に類似特許が潜んでいる可能性があると考えても良いでしょう。
もちろん、技術分野等により上位分類を選定することが適切ではないケースも
ありますが、上述の「シャープペンシル」と「筆記用具」の例を念頭に置いて
特許分類の選定を行ってください。
3:特許検索の鉄則━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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本号の解説の中から2つを再掲します。
■特許検索の鉄則068(再掲)
特許分類選定の最も基本的な方法は対象特許に付与されている特許分類を
そのまま使うことである
■特許検索の鉄則069(再掲)
対象特許に付与されている特許分類の上位分類も選定すると良い
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2007-04-22 : 更新
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