■Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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1:特許検索のネタ・購読者の方からの質問
1-1:特許検索のネタ
1-2:購読者の方からの質問
2:特許分類同士の掛け算
2-1:特許分類の付与
2-2:IPC同士の掛け算は正しいか?
2-3:IPC同士の掛け算が有効なケース
2-4:IPC同士の掛け算の際に考えなければいけないこと
3:特許検索の鉄則
1:特許検索のネタ・購読者の方からの質問━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1-1:特許検索のネタ
今回のシリーズでは松下電器産業出願の半導体装置に関する特許を例に取り
その特許の類似特許を探す方法を解説しています。取り上げている特許は
以下の特許です。
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【発明の名称】半導体装置
【公開番号】 特開2005-123458
【出願日】 2003年10月17日
【出願人】 松下電器産業株式会社
【要約】
【課題】マイクロ波帯域からテラヘルツ帯域での特性のバラツキが抑制されて
おり、実装が容易で、高周波信号を空間や外部回路に効率よく伝達することが
可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、基板1と、基板1の最上部に形成された
n型半導体層2Aと、基板1上に互いに離間して形成され、伝送線路を構成
する信号線5および接地線6と、n型半導体層2Aと、信号線5および接地
線6とから構成される発振素子15と、基板1上に形成され、信号線5に
接続された高周波利用回路部11とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】n型半導体層を最上部に有する基板と、
上記基板上に互いに離間して形成され、伝送線路を構成する信号線および
接地線と、
上記n型半導体層と、上記信号線および上記接地線とから構成される
発振素子と、
上記基板上に形成され、上記信号線に接続された高周波利用回路部と、
を備える、半導体装置。
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1-2:購読者の方からの質問
メーカー知財部の方からメルマガVol.34の内容について、以下の質問をいただ
きました。
メルマガVol.34の内容について質問があります。
社内研修でIPC分類同士の掛け算は良くないということを聞きました。
その理由としてモレが多くなるためとの説明でした。しかし、Fターム
同士の掛け算は良いという聞いています。
メルマガの説明では 特に”背景技術”と”技術的特徴”という
それぞれ別のIPC分類であれば、IPC同士の掛け算が有効とのこと
ですが、私が社内研修で習った内容は間違いなのでしょうか?
メルマガVol.34の「3-2:特許分類をベースにした検索式の作成」に
先ほどの式を一般的な言い方で置き換えると、
背景技術関連分類 × 技術的特徴分類
となります。特許分類とキーワードを掛けるというのがよく使用される
方法ですが、特許分類と特許分類の掛け算も結構役立ちます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(中略)
※ここでは取り上げませんが特許分類同士の掛け算が有効なのは
Fタームを用いる場合です。
という下りがあります。今回のメルマガでは特許検索式の作成の続きとして、
メルマガ購読者の方からいただいた「IPC分類同士の掛け算」について解説
していきます。
2:特許分類同士の掛け算━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-1:特許分類の付与
特許分類同士の掛け算について検討する前に、特許検索でよく使うIPC・FI・
Fタームについて、その違いを以下のサイトで確認してください。
◆IPC
http://www.ipdl.inpit.go.jp/HELP/pmgs/database/format_summary.html#ipc
◆FI
http://www.ipdl.inpit.go.jp/HELP/pmgs/database/format_summary.html#fi
◆Fターム
http://www.ipdl.inpit.go.jp/HELP/pmgs/database/format_summary.html#fterm
注目していただきたいのは、Fタームのところの説明に
「現行の国際特許分類(IPC)は、単一の技術的観点を中心に展開されて
おり、技術の区分けも粗いため、IPCのみでは、特に最近の発展した技術
分野においては数百件から数千件もの先行技術文献を調査しなければなりま
せん。これに対して、Fタームは、種々の技術的観点(目的、用途、構造、
材料、製法、処理操作方法、制御手段など)からIPCを所定技術分野毎
に再区分、あるいは細区分したものであり、Fタームを組み合わせて検索
することにより、関連先行技術を効率的に絞り込むことができます。」
とあります。IPCやFIは単一の技術的観点で展開、Fタームは複数の技術的観点
から展開されているという点は覚えておいてください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-2: IPC同士の掛け算は正しいか?
それでは、「IPC同士の掛け算は正しいか?」について答えます。
ズバリ言うと
ケース・バイ・ケース
です。IPC同士で掛け合わせるのが有効な場合もありますし、逆に全く意味の
ない場合もあります。どのような場合に有効で、どのような場合に有効では
ないかの分かりやすい判断基準はありません。現在のところトライ・アンド・
エラーで見つけていくしかありません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-3: IPC同士の掛け算が有効なケース
それではIPC同士の掛け算が有効なケースを見ていきましょう。
自動車が衝突した場合にドライバを保護するエアバッグがあります。エアバッ
グ関連特許は主にIPC分類でB60R21/16が付与されています。
◆エアバッグ(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/エアバッグ
◆エアバッグ関連IPC
B60R 21/16 ・・衝突時に膨張するように設計された膨張可能な乗員拘束
または抑制装置,例.エアバツグ
エアバッグ装置には車両が何か物体に衝突したかどうか検出するためのセンサ
が備わっています。この衝突検知センサには加速度センサが使用されます。
加速度センサ関連特許には主にIPC分類でG01P15/00が付与されています。
◆加速度センサ関連IPC
G01P 15/00 加速度の測定,減速度の測定;衝撃,すなわち加速度の急激な
変化,の測定
エアバッグ用の加速度センサ関連の特許を出したいのであれば、
エアバッグ関連IPC × 加速度センサ関連IPC
で検索することになります。特許電子図書館・公報テキスト検索で以下の
検索を行ってみます。
●公報種別 公開特許公報 (公開、公表、再公表)
検索項目選択
IPC G01P15/?
AND
IPC B60R21/16
AND
公報発行日 20060101:
※ヒット件数が500件以上になってしまうため公開日で限定しています
ヒットした公報の発明の名称を眺めてみましょう。
1.特開2007-040950 センサ装置
2.特開2006-347328 車両の衝突検知装置
3.特開2006-317333 衝突検出装置
4.特開2006-240615 車両用センサ筐体及び車両用センサ筐体固定構造
5.特開2006-093114 MEMSに基づく内部スイッチ
6.特開2006-088917 車両用衝突判定装置
7.特開2006-088916 車両用衝突判定装置
8.特開2006-027290 衝突形態判別装置および乗員保護装置
9.特表2007-511743 車両と衝突対象の間の相対速度を突き止める装置
10.特表2007-508203 車両における安全システムの始動装置
11.特表2007-502994 車両搭乗者保護システム用の加速度測定装置および方法
12.特表2007-500337 衝突センサおよび衝突センサのテスト方法
13.特表2006-516495 車両の搭乗者保護手段を制御する方法および装置
14.特表2006-513096 自動車内の乗員保護手段用の制御装置の機能監視用の
制御装置及び方法
ざっと眺める限り、乗員保護装置・エアバッグ用のセンシング関連の特許が
ヒットしています。
━━━━━━━━━━2-4: IPC同士の掛け算の際に考えなければいけないこと
エアバッグ用の衝突検知センサの例でIPC分類同士の掛け算が有効であること
を示しました。しかしIPC同士の掛け算で考慮しておくべきことがあります。
エアバッグ用の衝突検知センサの例で考えると、発明の主体が
エアバッグにあるのか?それとも衝突検知センサにあるのか?
で付与されるIPCが変わってくるということです。
以下の特許を見てください。
【公開番号】特開2007−45415
【公開日】平成19年2月22日
【発明の名称】車両乗員センサーシステム及びエアーバッグシステム
【国際特許分類】
B60R 21/16 (2006.01)
【FI】
B60R 21/32
【出願人】アドバンスト セイフティ コンセプツ, インク.
【要約】
【課 題】乗用車内の自動システムの安全性を高め、操作性を高める
ことである。
【解決手段】1又はそれ以上のキャパシティセンサーと、1又はそれ以上の
重量センサーとを含む車両乗員センサーシステムである。
前記キャパシティセンサーは、誘電基板の片面上に形成された
2体式隣接電極を含んでおり、前記キャパシティセンサーと
重量センサーの両方から得られた情報が、上記システムに利用
されていることを特徴とする
要約を読む限り、センサに関連する特許であると思われますが、IPCとしては
B60R 21/16しか付与されていません。センサ関係の分類は付与されていない。
この特許は発明の主体がエアバッグであると判断されたため、IPCとしてB60R
21/16しか付与されていないのです。もしもこの特許もエアバッグ関連センサ
の特許として検索でヒットさせたい場合、先ほどのセンサ関連分類を掛け合わ
せても、ヒットしません。
※先ほどは衝突検知用加速度センサでしたが、この特許のセンサは乗員検知
センサなので、分類は先ほどとは異なることに注意(IPCとしてG01G)
ヒットさせる場合は、
エアバッグ関連IPC × センサ関連IPC
ではなく、
エアバッグ関連IPC × センサ関連キーワード
でなくてはいけません。この例とは逆にセンサが発明の主体であり、用途とし
てエアバッグにも適用することができる、といった場合、特許分類としてエア
バッグの分類が付与されている可能性は薄いです。ですから、
センサ関連IPC × エアバッグ関連IPC
ではなく、
センサ関連IPC × エアバッグ関連キーワード
となります。IPCもしょせんは人間が付与しているものですから、付与基準に
バラつきが出てしまうことは避けられません。モレを少なく網羅的に検索する
のであれば、
A エアバッグ関連IPC × センサ関連IPC
B エアバッグ関連IPC × センサ関連キーワード
C センサ関連IPC × エアバッグ関連キーワード
このAとBとCのOR演算を取ることが一番良いでしょう。
3:特許検索の鉄則━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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本号の解説の中から3つを特許検索の鉄則としてまとめます。
■特許検索の鉄則080
IPC分類同士の掛け算は有効な場合もあるが、有効ではない場合もある
■特許検索の鉄則081
IPCは特許で開示されている発明の主体に対して付与されていることを
考慮する必要がある
■特許検索の鉄則082
IPCを付与しているのは人間であるため、付与基準にバラツキが出ること
は覚悟しなければならない
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