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特許電子図書館を使った【特許検索のコツ】
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2008.01.28━
【本号のテーマ】
米国特許検索入門(8)
特定技術分野の出願動向を調べる(6 : シリーズ最終回)
■Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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1:特許検索のネタ
2:米国特許検索式の作成
2-1: 検索フィールドの復習
2-2: 検索式の構成
2-3: 米国特許の各社別件数推移検索式
2-4: 米国特許の出願状況
3:特許検索の鉄則
1:特許検索のネタ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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本シリーズでは、これまでメルマガを通じて解説してきた米国特許検索の知識
を生かして「特定技術分野の出願動向」を調べてきました。
今回設定したテーマは、日本経済新聞で取り上げられたトヨタのロボット開発
を取り上げました。
トヨタと比較する企業は、日経に掲載されていた
ホンダ (本田技研工業)
ソニー
ファナック
安川電機
の4社です。今回トヨタを含めた5社のロボット関連特許の日本における出願
状況の把握と米国特許の検索式作成について説明してきたのですが、本号はそ
のシリーズ最終号です。
2:米国特許検索式の作成━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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前回までキーワードおよび米国特許分類・国際特許分類を使った検索式の作成
について解説してきました。今回はこれまで解説してきた内容をまとめて、5
社のロボット関連米国特許の件数推移を出す検索式の作成と、件数推移グラフ
を作成していきます。
ちなみに今回はUSPTOのPatent Full-Text and Full-Page Image Databases
http://www.uspto.gov/patft/
の登録特許データベースIssued Patents (PatFT)の中の Advanced Search を
使っていきます。
http://patft.uspto.gov/netahtml/PTO/search-adv.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-1:検索フィールドの復習
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
米国特許庁USPTOのデータベースIssued Patents の中の Advanced Searchでは
フィールドを指定して検索式を組み立てます。復習を兼ねて、これまでメルマ
ガで説明してきたフィールドを見ておきましょう。
◆キーワードフィールド
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Field Code | Field Name | フィールド名
(コード) | (フィールド名:英語) | (日本語)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
TTL | Title | 発明の名称
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ABST | Abstract | 要約
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ACLM | Claim(s) | 特許請求の範囲
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
SPEC | Description/Specification | 発明の詳細な説明
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆特許分類フィールド
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Field Code | Field Name | フィールド名
(コード) | (フィールド名:英語) | (日本語)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ICL | International Classification| 国際特許分類
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
CCL | Current US Classification | 米国特許分類
| | (ただし現行)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆企業・日付フィールド
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Field Code | Field Name | フィールド名
(コード) | (フィールド名:英語) | (日本語)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
AN | Assignee Name | 権利譲渡人(≒出願人)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ISD | Issue Date | 公報発行日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
APD | Application Date | 出願日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
RLAP | Related US App. Data | 関連する米国出願の日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
REIS | Reissue Data | 再発行日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これらのフィールドを使って検索式を組み立てていきましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-2:検索式の構成
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
検索式がどのような構成になるのか、どのようなモジュールで組み立てられて
いるのか、についてはこれまでもメルマガで説明してきました。
(企業) AND (年) AND (ロボット)
という3つのモジュールでできます。ここで(ロボット)モジュールについては
(企業) AND (年) AND (ロボット)
=(企業) AND (年) AND {(ロボット・キーワード)
+
(ロボット・国際特許分類IPC)
+
(ロボット・米国特許分類UPC)}
のようにキーワード・国際特許分類・米国特許分類の3つに展開できます。
前回までのメルマガでは、特にこの(ロボット)モジュールの3つについて解説
をしてきました。
(企業)・(年)については、メルマガVol.044の
米国特許検索入門(1)〜競合他社の出願状況を調べる(登録編)〜
http://archive.mag2.com/0000194221/20071009073000000.html
で解説しましたが、
AN/CANON and ISD/$/$/2006 and APT/1
~~~~~ ~~~~~~~~ ~~
企業名 年 種別
となります。日本とは特許制度が異なり、米国では意匠も「デザイン特許」と
してPatentの一部になっています。この「デザイン特許」を除外して検索する
のであれば種別を忘れてはいけません。
次に(ロボット)部分については
Vol.049:キーワード部分の検索式
http://archive.mag2.com/0000194221/20071210073000000.html
Vol.050:特許分類部分の検索式(国際特許分類)
http://archive.mag2.com/0000194221/20071225073000000.html
Vol.051:特許分類部分の検索式(米国特許分類)
http://archive.mag2.com/0000194221/20080115073000000.html
で解説しました。それぞれ作成した検索式は
Vol.049:キーワード部分の検索式
TTL/ROBOT$ OR ABST/ROBOT$ OR ACLM/ROBOT$
Vol.050:特許分類部分の検索式(国際特許分類)
ICL/B25J$
Vol.051:特許分類部分の検索式(米国特許分類)
ccl/901/$ or ccl/700/245 or ccl/700/246 or ccl/700/247
or ccl/700/248 or ccl/700/249 or ccl/700/25$ or ccl/700/260
or ccl/700/261or ccl/700/262 or ccl/700/263 or ccl/700/264
or ccl/318/568$
です。それではこれらの検索式のモジュールを組み合わせてみましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-3:米国特許の各社別件数推移検索式
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
検索式の構成に沿ってモジュールを組み合わせていくと、
(企業) AND (年) AND (ロボット)
=(企業) AND (年) AND {(ロボット・キーワード)
+
(ロボット・国際特許分類IPC)
+
(ロボット・米国特許分類UPC)}
トヨタの2006年の場合、以下のような検索式になります。
AN/TOYOTA and ISD/$/$/2006 and APT/1 and ((TTL/ROBOT$ or ABST/ROBOT$
or ACLM/ROBOT$) or (ICL/B25J$) or (ccl/901/$ or ccl/700/245
or ccl/700/246 or ccl/700/247 or ccl/700/248 or ccl/700/249
or ccl/700/25$ or ccl/700/260 or ccl/700/261 or ccl/700/262
or ccl/700/263 or ccl/700/264 or ccl/318/568$))
あとは「TOYOTA」の部分と「2006」の部分を置き換えていけば、各社別の件数
推移を出すことができます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2-4:米国特許の出願状況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●公報種別: 米国特許公報 (登録)
●検索項目
出願人/権利者 : TOYOTA (トヨタ自動車)
HONDA (本田技研工業)
SONY (ソニー)
FANUC (ファナック)
YASKAWA (安川電機)
※YASUKAWAではなくYASKAWAであることに注意
IPC : B25J?
UPC : 901/$
700/245
700/246
700/247
700/248
700/249
700/25$
700/260
700/261
700/262
700/263
700/264
318/568$
公報発行日 : 1998?
1999?
2000?
2001?
2002?
2003?
2004?
2005?
2006?
トヨタ自動車の1998年〜2006年、ホンダの1998年〜2006年・・・・・と調べて
いくと、最終的に以下のような表が完成します。
(公報発行年)
--------------------------------------------------------------
1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
--------------------------------------------------------------
トヨタ 3 4 1 4 1 1 1 0 0
--------------------------------------------------------------
ホンダ 9 10 11 18 13 10 9 18 21
--------------------------------------------------------------
ファナック 21 17 23 27 24 16 10 18 22
--------------------------------------------------------------
安川電機 6 4 5 9 2 5 6 10 7
--------------------------------------------------------------
ソニー 2 7 3 7 31 30 26 21 61
--------------------------------------------------------------
この表をMS Excelで整理してグラフ化すると
http://www.e-patentsearch.net/mailmagazine/vol52graph_us.gif
のようになります。日本の結果と比較すると
http://www.e-patentsearch.net/mailmagazine/vol46graph_jp.gif
各社の外国出願の戦略の違いが浮かび上がってきます。
またソニーに着目してみると、次のようなグラフになります。
http://www.e-patentsearch.net/mailmagazine/vol52graph_sony.gif
日本での公開件数と米国での登録件数が2006年に逆転しています。ソニーがロ
ボットのAIBOやQRIO(2足歩行ロボット)といったエンタテインメントロボット
事業を縮小し始めたのは2005年9月、そして2006年1月に新規開発中止を発表し
ました。
日本特許のグラフを見ると、(出願年ではなく公報発行年ベースですが)2005年
から2006年にかけて特許公開件数がグッと減少しています。これはソニー内で
エンタテインメントロボット事業縮小に起因していると考えられます。それに
対して米国特許登録件数は2006年にかけてむしろ増加傾向です。
通常、外国出願を行う際は、PCT(国際出願)かパリルートのいずれかです。
パリルートで海外出願するのであれば、日本出願から1年以内に優先権主張を
行って海外へ出願します。自動的に日本の出願と外国の出願では約1年のタイ
ムラグが生じることになります。
ソニーでは2000年から2001年にかけて一気にロボット関連特許出願を増やしま
した。その一部を米国にも出願しています。その一部の米国出願が2002年から
順次登録になっていて、2006年はこれまで出願していた特許が一気に登録にな
ったと考えられます。しかし・・・エンタテインメントロボット事業は縮小。
外国出願を行うと、翻訳費用や海外の特許弁護士費用なども掛かるため、概算
で数百万円かかります(分野によってはもっと掛かります)。
仮に1件200万円としても、エンタテインメントロボット関連の米国特許出願で
100件ほど権利化していると総額2億円になります。権利化費用だけはなく開発
費用なども含めると数十億円ですね。さて費用を無駄にしないように他の分野
へ活用しないといけません。
※昨年ソニーから発表された音楽プレーヤー「Rolly」はロボット技術も利用
しているとのことです。卵形のカワイイ音楽プレーヤーです。
http://www.sony.jp/products/Consumer/rolly/index.html?j-short=rolly
さて、米国特許検索入門シリーズは今回で終了です。次回からは欧州特許庁の
esp@cenetを使ってロボット関連特許の出願動向を調べていきます。
3:特許検索の鉄則━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本号の解説の中から3つを特許検索の鉄則としてまとめます。
■特許検索の鉄則114
日本企業の外国特許出願状況を調べる際は、企業名に注意する
例:安川電機 YASUKAWAではなくYASKAWA
■特許検索の鉄則115
無料特許データベースでも検索式を工夫することで
パテントマップを作成することが可能
■特許検索の鉄則116
作成してパテントマップ(今回はロボット関連特許の件数推移)と
各社の動向を組み合わせることで、パテントマップの背景を探る
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